ペルー環境教育奮闘記。

青年海外協力隊 環境教育隊員としての活動記録とペルーの情報発信のためのBlog

4月のテーマ ~水~

4月のテーマは水について。

先月より配属先の近くにある女子中学校で啓発活動を始めています。

毎月テーマを決めてそれに準じたアクティビティーや講義を行うものです。

 この活動はカウンターパートとともに行っています。

 

今月のテーマは「水」

以前もお伝えしたように任地イカは砂漠の街で、水はアンデスの雪解け水が流れてくるものを使っています。

その雪解け水が流れてくるイカ川の湖畔にさかえた街です。

しかし、それだけでは十分なわけではなく、水が枯渇して断水することも多い街です。

 

改善に向けて、まずは最初に水の節約に関して授業を行います。

簡単な質問ですが、

「シャワーを20分浴びたらどのくらいの水を使うかな!?」

「お皿を10分洗ったらどのくらいの水を使うかな!?」

そういって質問をします。

その際に、ペルー人が愛してやまない「インカコーラ」の1Lの瓶を持っていき、「この瓶が1Lだよ!」と促します。

 

そして、答えをいって彼女たちの驚きを促します。

 f:id:yuuki-genau:20140409121238j:plain

 

そして、「女の子にシャワーを浴びる時間を短くしろとは言わない!けど石鹸やシャンプーで洗っている時間は蛇口を閉めて節約しようね!」と今日からでも出来る提案をします!

一人一人だと小さいことかもしれませんが、大勢が節水をすれば断水も減るかもしれないという思いです。

 

そして、「水」に関してもう一つの問題が「汚染」です。

イカ川の汚染問題はひどく、多くの人が川にごみを捨てます。

以前ヒアリングに言った際に、不法投棄をしている人が

「川に捨てれば水が被って見えなくなる!道に捨てるよりいいだろ!」と言っていたのが印象的でした。

この問題も少しは改善したいと思い「川は誰が汚したの?」というアクティビティを行います。

これは日本でも行われているアクティビティですが地名やごみの種類をイカ用にアレンジしています。

 

f:id:yuuki-genau:20140409120425j:plain

まずは、生徒たちに物の名前が書いてある容器を渡します。中が見えないようになっている容器です。

容器は「釣り」「排気ガス」「バーベキュー」「落ち葉」「洗濯」等書いてるものを10種類用意します。

 

そして、生徒たちの真ん中に透明の容器に水を入れておきます。

 

準備はここまである物語を読み始めます。

物語はアンデスの山奥から水がイカまでどうやってくるのかに関してです。

そして、容器に書いてあるものが登場したら、該当する容器をもっている生徒はふたを開けて中に入っているものを中央の水に入れます。

 

物語の中には

アンデスの枯葉が川に落ちました」

「川岸でバーベキューをしていた人がごみを川に投げ入れました」

「川の近くにある工場へ通う人たちの乗る車から出る排気ガスが酸性雨となって川に流れ込みました」

といった内容が含まれています。

 

また、容器の中には下のようなものを入れています。

枯葉 = 実際の枯葉

バーベキュー = 竹串

排気ガス =黒色の絵の具を混ぜた水

洗濯 = 洗剤を混ぜた水

f:id:yuuki-genau:20140409122905j:plain

 

最初はきれいだった水がどんどん汚れています。

そして、最初の枯葉などは水質に異常のないものを話しており、どんどん人の手が加わると汚染が強まるという内容になっています。

 

f:id:yuuki-genau:20140409123503j:plain

そして、最後には上の写真のような結果になります。

そして最後に登場するのは

「イカの川岸から一人の子供がペットボトルを川に投げ込み、中に入っていたジュースが川に流れ込みました。」

としています。

 

そして、物語が終わった後に、

「誰が川を汚したのかな?」

「川を汚さないために何が出来るかな?」

という質問をします。

 

生徒たちにごみを川にごみを捨てる小さな行為が川の汚染につながっているという意識を知ってほしかったから。

 

ここまでで30分のアクティビティです。

 

そして、宿題も用意しています。

「自分の身の回りの蛇口に節水の目印を付けてね!」

 

この宿題を忘れずにやってくれているかを来月までの楽しみにしています。

 

ではでは